その値札、キロ単価じゃありません——台湾の果物屋台、「斤」と「数え売り」の読み方
日本で「一斤」といえば、食パンです。
台湾で「一斤」といえば、果物、肉、野菜——量り売りのほとんどすべて。そして重さも違います。台湾の街角の果物屋台の前で、「1斤50」という値札を見て固まった経験のある方のために、このノートでは台湾の果物の買い方を最初から説明します。
「斤」は 600 グラム
台湾の「斤(ジン)」は 600 グラムです。日本の食パンの一斤(340 グラム以上)とも、中国大陸の市斤(500 グラム)とも違う、台湾独自の単位。区別して「台斤(タイジン)」と呼ぶこともあります。
つまり「1斤50元」の値札は、600 グラムで 50 元という意味です。
ここで注意したいのが、キロ単価との混同。日本のスーパーの感覚で「1キロ 50 元?安い!」と思うと、実際のキロ単価は約 83 元。値札の数字を約 1.7 倍すると、キロ単価になる——これだけ覚えておけば、相場感を大きく外すことはありません。
- 1斤 = 600 g
- 半斤 = 300 g(さくらんぼやイチゴなど、高めの果物でよく見る単位)
- キロ単価 ≒ 値札 × 1.7
ちなみにスーパーやデパ地下では公斤(キログラム)表示や 1 パックいくらの表示が主流。「斤」の世界が生きているのは、市場と街角の屋台です。
もうひとつの売り方、「数え売り」
量り売りと並んでよく見るのが、個数で値段をつける売り方です。
「6顆100」= 6 個で 100 元。
「顆(クー)」は丸いものを数える単位で、日本語の「個」とほぼ同じ。「粒」も同じ意味で使われます。カットフルーツは「一盒(1 パック)」で数えます。
数え売りには台湾らしい仕掛けがあって、たとえば「1顆20、6顆100」のように、まとめて買うほど単価が下がる値付けが定番です。1 個 20 元のところ、6 個なら 100 元——2 個分近くお得になる計算で、屋台の前で「じゃあ 6 個で」となるのが台湾のリズムです。
在地人の買い方
値札が読めたら、あとは買うだけ。台湾の屋台には、知っていると一気に楽になる習慣がいくつかあります。
- 買い方はセルフサービスです。 備え付けのビニール袋を取って、欲しい果物を自分で選んで袋に入れ、レジ(秤のある台)へ持っていく——日本のスーパーの野菜売り場とほぼ同じ流れです。店の人が量って合計金額を教えてくれるので、言葉はほとんど要りません。数え売りのものは指差しと指の本数で十分です。
- 量が多すぎたら、その場で減らせます。 合計金額は秤に乗せて初めて確定します。思ったより高ければ袋から少し戻して量り直してもらえばよく、斤とキロの勘違いにも、ここで気づけば対応できます。金額を先に知りたいときは「多少錢?(ドゥオシャオ・チエン?=いくら?)」のひと言で。
- ホテル泊ならカットフルーツが正解。 果物ナイフを持たない旅行者には、その場で切って詰めてくれる「一盒」売りのカットフルーツが便利です。夜市の入口や市場の周りに必ずあります。
- 支払いは現金で、小さいお札を。 100 元札と小銭があればスムーズです。
おわりに
値札の「斤」が読めなくて、屋台の前を素通りする——それは台湾の果物の一番おいしいところを素通りするのと同じことです。
600 グラム、1.7 倍、袋を取って自分で選ぶ。この三つだけ持って、屋台に近づいてみてください。
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ゆきひめ(台湾在住・グルメ手帖)