慶城海南雞飯——南京復興駅近く、平日昼のさっぱり選択肢

2026-06-26 · 台北グルメ

南京復興駅で降りて、兄弟大飯店の方向に歩いていくと、慶城街という通りに出ます。そこから一本横に入った 16 巷の路地に、小さな店があります。

看板はそっけなくて、「慶城海南雞飯」。それだけ。

平日のお昼時に行くと、路地の入口から店の前まで人が並んでいます。並んでいるのは、近くのオフィスから出てきた人たち。私もそのうちの一人として、何度かここでお昼を食べてきました。

海南雞飯について少しだけ

海南雞飯(ハイナンジーファン)は、もとは中国の海南島の料理で、シンガポール・マレーシア・タイなど東南アジアの華人圏に広がり、それぞれの土地で少しずつ形を変えながら根付いた料理です。日本だとシンガポールチキンライスとして知られているかもしれません。

台湾にも、東南アジアを経由したかたちで入ってきていて、台北の街なかには小さな専門店がいくつかあります。慶城海南雞飯は、南京復興駅の周りで海南雞飯を食べたくなったときの、一つの選択肢です。何軒もある中の一軒、というくらいの距離感で紹介します。

メニューは二択

このお店のメニューは、潔いです。

  • 1 号餐:鶏肉+ご飯
  • 2 号餐:鶏肉+ご飯+野菜の小皿

それから、スープと数品の単品。基本的にこれで全部です。一人で来て、サッと食べて、サッと出る。台湾でいう「客飯(クーファン)」、日本でいう「定食」のスタイルです。テーブルでお皿を囲む台湾的な食べ方(合菜)とは違って、一人前ずつ完結している食べ方。

「色々頼んでシェア」できる店ではないので、複数人で来ても、それぞれが自分の一皿を食べるかたちになります。

鶏とご飯と、二つのタレ

骨を抜いた鶏もも肉が、薄くスライスしてご飯の上に乗っています。鶏肉そのものは、塩でしっかり下味がついているわけではなく、淡くて柔らかい。海南雞飯はもともとそういう料理で、味の主役は鶏の質感とご飯の香り、そしてタレです。

ご飯は鶏のスープで炊いてあって、ほんのり脂と香りがあります。日本のお米とは違う、長粒種のさらっとしたタイプ。

タレが二種類、テーブルに置いてあります。

  • 緑のタレ:青ねぎ・生姜・にんにくを細かく刻んで油で和えたもの。これがこのお店の看板。爽やかで、鶏の淡白さに香りを足してくれる
  • 赤いタレ:南洋風の、甘酸っぱくて少しピリッとするタレ。台湾向けに辛さは控えめで、甘さが立っている

私の好みは緑のタレ多め。鶏とご飯にたっぷりかけて、足りなくなったらお代わりをもらいに行きます。赤の方は、途中で味を変えたいときに少し足すくらいで、ちょうどいい感じ。

清爽(チンシュアン)という感覚

台北のお昼ご飯は、わりと油の重い選択肢が多いです。魯肉飯、豬腳飯、排骨飯——どれも美味しいけれど、毎日続くと胃が「もう少し軽いものを」と言ってくる日があります。

慶城の海南雞飯は、そういう日に行きたくなるお店です。鶏は淡白、ご飯は脂控えめ、タレで自分のさじ加減ができる。台湾の言葉で言うと「清爽(チンシュアン)」——さっぱりして爽やか、という意味です。台湾の在住者にとっては、油の重い昼ご飯の世界の中での、ありがたい逃げ場所のような一皿です。

平日だけ開く店

慶城海南雞飯のもう一つの特徴は、土日が休みだということです。

火曜から金曜は通しで開いていなくて、午後 3 時から 4 時の間は中休みが入ります。ランチタイムとディナータイムだけ開けて、土日は閉める。お客さんが平日のオフィスワーカーだから、サラリーマンが休む日に店も休む——台北の老舗の小吃店には、こういう営業形態がよくあります。

なので、観光で台北に来て「週末に行ってみよう」と思うと、扉が閉まっています。平日のお昼か、夕方の早い時間に予定を入れる必要があります

並ぶか、外帯(テイクアウト)にするか

平日のランチタイム(12 時前後)と、夕方の開店直後(16 時すぎ)は、行列ができます。座席はそれなりにあるのですが、回転も早いので、20〜30 分くらい待つイメージで。

ピーク時間を外すコツとしては、11 時の開店すぐか、13 時半以降の遅めランチ。外帯(テイクアウト)も普通に対応してくれるので、近くの公園で食べる選択肢もあります。慶城街の路地は座る場所が限られているので、外帯にする場合は持ち帰り先を考えてから注文した方がスムーズです。

📍 店舗情報

このノートで紹介した料理は、すべて慶城海南雞飯で頼める内容です。

慶城海南雞飯

  • 住所:台北市松山区慶城街 16 巷 8 号
  • 最寄駅:MRT 南京復興駅 7 番出口から徒歩約 5 分(兄弟大飯店の近く)
  • 営業時間:火〜金 11:00〜15:00、16:00〜20:00(土・日・月 定休、中休みあり)
  • 電話:02-8712-1200
  • 予約:不可(現場で並ぶ)

営業時間と定休日は変わることがあるので、行く前に Google マップで最新情報を確認するのをおすすめします。

このノートで触れないこと

  • 価格:本記事では金額を書きません。台湾の物価は変動します。現場のメニュー表でご確認ください
  • シンガポール版・マレーシア版との比較:別の料理として食べた方が、両方それぞれおいしく感じられると思います
  • 夜遅い時間の様子:私自身は昼にしか行ったことがないので、夜の状況はわかりません

結び

メニュー二択、土日休み、看板そっけなく、行列だけが少し派手——慶城海南雞飯は、そういうお店です。

「台北で一番」というような大げさな話ではなくて、南京復興駅の近くにいて、お昼に何を食べようかと迷ったときの、選択肢の一つ。台北で働く人たちが、平日のお昼に「今日は軽いものが食べたい」と思ったときに足を運ぶ、街の定食屋さん。一皿が完結していて、20 分で食べ終われて、午後の仕事に戻れる。

このあたりに用事があって、お昼の時間にちょうど通りかかったら、覗いてみてもいいかなと思います。


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ゆきひめ(台湾在住・グルメ手帖)

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