50嵐(ウーシーラン)——在住者の私がよく頼んでいる、定番 3 杯
台湾の街を歩いていると、片手に手揺茶(ショウヤオチャ)のカップを持って歩いている人を、よく見かけます。
透明なプラスチックのカップ越しに、いろんな色が見えます。濃いミルクティー色、薄い茶色、透き通った薄緑色、果物の浮かぶカップ。手揺茶のお店は、台北の街でも台中の街でも、本当に身近な存在です。
このノートでは、その中でも台湾人に親しまれている50嵐(ウーシーラン)について書きます。在住者の私がよく頼んでいる、3 杯の定番と一緒に。
50嵐(ウーシーラン)について
「手揺茶(ショウヤオチャ)」は、台湾語で「手で振って作るお茶」という意味。シェイカーで振って作るスタイルから来た呼び方です。日本では「ドリンクスタンド」「タピオカ屋さん」と呼ばれることが多いと思います。
その手揺茶のチェーン店の中で、50嵐は台湾でいちばん馴染みのある一軒です。全台湾で約 600 店舗、台北・台中・高雄、どこの街でも見かけます。
50嵐は地区代理店制で、北・中・南・高雄の 4 区域に分かれていて、地域ごとにメニューが少し違います。例えば「珍波椰」のようなトッピングミックスは北区限定だったり、地域限定の隠れメニューがあったり——同じ 50嵐でも、街によって少し違う表情を見せるところが、楽しい店です。
トッピング——タピオカと、その家族たち
50嵐のトッピング(加料・ジャーリャオ)でよく見る顔ぶれは:
- 珍珠(チェンジュ)——いわゆるタピオカ。小粒の方
- 波霸(ボーバ)——同じタピオカだけど、大粒で歯応えしっかり。日本で「ボバ」と呼ばれているのはこちら
- 椰果(イェグォ)——ナタデココ。さくさくシャキシャキ
- 粉圓(フェンユエン)——タピオカと同じ素材だけど、もっと小さい粒
50嵐の名物に、「珍波椰(チェンボーイェ)」という 3 種ミックスがあります——珍珠 + 波霸 + 椰果の盛り合わせ。北区限定の「珍波椰」付き四季春茶は、お店のメニュー番号で「1 号(イーハオ)」と呼ばれる、知る人ぞ知るオーダー。
迷ったら珍珠か波霸の二択でいいです。タピオカミルクティーの「タピオカ」と思っているもの、ほぼ間違いなくこの二つのどちらか。
私の 50嵐 定番——3 杯のおすすめ
ここからは完全に個人の好みです。この 3 杯のどれかを、よく頼んでいます。
注文の文中に出てくる「三分糖(30% 甘さ)」「少冰(氷少なめ)」「無糖」「正常冰」などの組み立て方は、手揺茶の組み立て方の全地図——5 軸 で書いています。手揺茶の頼み方が初めての方は、先にあちらをのぞいてみてください。
① 波霸奶茶(ボーバナイチャー)、三分糖、少冰
飲んだ後、なんだか機嫌が良くなる一杯
50嵐のクラシック・オブ・クラシック。アッサム系紅茶のしっかりした香り + 奶精(粉末ミルク)のコク + 大粒の波霸(ボバ)の歯応え。50嵐の「波霸奶茶」は奶精ベース——本物の鮮乳ではなく粉末ミルクで作られたタイプで、独特の濃さと甘さが骨子です(奶精と鮮乳の違いは 5 軸編 で書いています)。三分糖(微糖)で全体の甘さを抑えて、奶精のコクと茶の香りのバランスを前に出します。少冰でお茶の量を稼ぐのもポイント。
仕事終わりの帰り道、ふと飲みたくなる一杯。飲み終わる頃には、なぜか機嫌が良くなっている——これは私だけじゃないと思います。
② 四季春茶(しきしゅんちゃ)、無糖、少冰
清爽、後味すっきりの一杯
50嵐の看板、何度書いてもおすすめしたい四季春茶。烏龍系の軽い品種で、緑茶寄りの爽やかさと烏龍茶の奥行きを併せ持つ、苦味の少ないお茶。砂糖もミルクもタピオカも入れない、潔く無糖で。お茶の香りがすっと立って、後味が軽くて、暑い夏でも一杯まるごと気持ちよく飲み切れる。
街角で透き通った薄緑色のカップを持っている台湾の OL や学生がいたら——たぶんそれが、この一杯です。
お茶の良さを試したい一杯目に最適。これで「あ、台湾のお茶ってこんなに美味しいんだ」と思ってもらえたら、私もうれしい。
③ 8冰綠(バーピンリュウ)、三分糖、正常冰
酸酸甜甜の、夏向きの一杯
「8 冰綠」——名前の「8」は、カップに入る金桔(キンカン)と梅干しの粒が、上下に重なって「8」の字に見えるところから来ています。可愛い。
中身は金桔ジュース + 梅子(梅)汁 + 緑茶の組み合わせ。酸味と甘味と緑茶の渋みが層になって、油っこい台湾料理を食べた後の口直しに完璧。三分糖(微糖)で甘さを抑えて、酸味を前に出すのが私の好み。氷は正常冰——この一杯だけはキンキンに冷えてるほうが美味しい。
これだけは少冰にしません。氷の溶けながらの味の変化も含めて、夏の楽しみ。
——以上、私の 50嵐 定番 3 杯。みなさんも、二、三回試したら、自分のデフォルトが見つかります。
📍 店舗情報
50嵐(ウーシーラン/五十嵐)
- 住所:全台湾に約 600 店舗、台北・台中・高雄、どこの街でも見かけます
- 営業時間:店舗により異なる、概ね 10:00〜22:00
- 支払い:現金、店舗により悠遊カード可
50嵐以外にも、清心福全(チンシンフーチュエン)、麻古茶坊(マーグーチャーファン)、CoCo 都可、一沐日……街には個性的な手揺茶店がたくさんあります。気になったお店があれば、ぜひ自分の感覚で試してみてください。
最後に
50嵐の四季春茶、波霸奶茶、8 冰綠。それぞれに、それぞれの場面と気分があります。仕事終わりの一杯、暑い日の喉を潤す一杯、油っこい料理のあとのリセットの一杯——どれも、台湾人の日常の風景の一部です。
街を歩いて、看板の「50嵐」の文字を見かけたら、ふらっと寄ってみてください。一杯あれば、その日の台湾旅行が、もう一段「在地」に近づきます。
注文に困ったら
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ゆきひめ(台湾在住・グルメ手帖)