台湾旅行はいつがいい?——気象署の平年値で読む、月別の暑さと雨
日本の友人から、いちばんよく聞かれる質問です。「台湾、何月に行くのがいい?」
今回は感覚ではなく、数字で答えます。使うのは、台湾の中央気象署(CWA)が公表している 1991〜2020 年の 30 年平年値。日本の気象庁の平年値にあたる、いちばん公式なデータです。
先に結論だけ。おすすめは 10〜11 月、次点は 3〜4 月です。以下、その理由を。
台北の一年を数字で見る
台北の月平均気温は、こんなカーブを描きます。
- 冬(12〜2 月):16〜18℃
- 春(3〜4 月):19〜22℃
- 夏(6〜9 月):28〜30℃
- 秋(10〜11 月):22〜25℃
数字だけ見ると「冬でも 16℃なら楽勝では?」と思うかもしれません。ここに、データのもう一列を重ねると景色が変わります——雨の日数です。
台北の冬は、数字より寒い
台北の冬は、雨の日が月に 12〜14 日あります。二日に一度は雨、しかも何日も続く細かい雨。湿度が高く、台湾の住宅やホテルには暖房がないことも多いので、気温 16℃の東京と、気温 16℃の台北は別物です。体感では台北のほうがずっと冷えます。
在住者としての正直な感想を言えば、12〜2 月の台北は「外れの日」を引く確率が高い時期。この時期に来るなら、後述の南部プランを考えてみてください。
夏は暑さより、スコールと台風
夏の台北は 7 月の平均気温 29.9℃、最高気温が 30℃を超える日が月 30.4 日——つまりほぼ毎日です。ただ、暑さ自体は対処できます。地下街も店内も冷房が効いていて、かき氷と手揺茶の一番おいしい季節でもある。
計画に組み込むべきは、むしろ雨の降り方です。6 月の台北の月降水量は 345mm(東京の 6 月の約 2 倍)。午後に一気に降るスコール型なので、「午前に外、午後は室内」の組み立てが在地の夏の過ごし方。そして 7〜9 月は台風シーズン。直撃すると交通も店も止まるので、この時期に来るなら旅行保険と予備日を。
だから、10〜11 月
秋は全部の数字が一斉にやさしくなります。台北の平均気温は 10 月 24.6℃、11 月 21.9℃。降水量は 9 月の 315mm から 10 月 150mm、11 月 83mm へ急降下。台風シーズンも 10 月半ばにはほぼ終わります。
台中はさらに極端で、10 月の降水量はわずか 25mm、雨の日は月 3 日。秋の台湾中部は、傘を持たずに歩けるレベルです。3〜4 月もこれに近い穏やかさですが、春は天気の変わりやすさが少し残ります。
冬に来るなら、南へ
ここが今回いちばん伝えたいデータです。高雄の 1 月は、平均気温 19.7℃・降水量 19mm・雨の日は月 3 日。台北が濡れて冷えている同じ日に、高雄は乾いて晴れています。
冬の台湾旅行は、台北ではなく高雄・台南を主役にする——在住者もよく使う使い分けです。新幹線(高鉄)で台北から高雄までは約 1 時間半〜2 時間。冬こそ南部です。
ひとつだけ例外、東海岸
花蓮・台東など東海岸だけは、パターンが逆になります。花蓮の降水量のピークは 9 月 330mm・10 月 351mm——西側のベストシーズンが、東側の雨のピーク。太魯閣や東海岸を目当てにするなら、秋よりも 3〜4 月のほうが安全です。
まとめ
- 迷ったら 10〜11 月:気温・雨・台風、全部が落ち着く
- 3〜4 月:次点。東海岸に行くならむしろこちら
- 夏(6〜9 月):午後のスコール前提の行程+台風の予備日を
- 冬(12〜2 月):台北は濕冷。高雄・台南を主役にすると別の国のように晴れる
データの出典:本文の気温・降水量・日数は 台湾 中央気象署(CWA)気候月平均資料(1991〜2020 年平年値)、冒頭のグラフは同署の 気候月報表(2016〜2025 年の月別実測値)によります。
台湾は一年中来られる場所です。ただ、「いつ来ても同じ」ではありません。数字を一度だけ見てから日程を決める——それだけで、旅の当たり率はかなり変わります。
関連記事:
その値札、キロ単価じゃありません——台湾の果物屋台、「斤」と「数え売り」の読み方
ゆきひめ(台湾在住・グルメ手帖)